ハワイ不動産2017年の今後
2017年1月に、ワイキキのキングスビレッジショッピングセンターに代わる32階建て、246ユニットコンドミニアムホテルプロジェクトが、キャンセルになりました。
理由は需要の減少と、建築コストの高さをあげています。
この開発業者は、過去にホクアやワンアラモアナを手がけ、ハワイコンドミニアムの代表格とも言える素晴らしい建築によって大成功しています。現在はパークレーンという超高級コンドミニアムが完成間近です。しかし、カカアコに建設しようとした豪華コンドミニアムのヴィーダについてはキャンセルしています。想定の需要に達しなかったという理由ですが、ヴィーダの場合は、その立地も問題であったかもしれません。また、建設中のパークレーンという超高級コンドミニアムの売れ行きや収入にもよるとも推察します。また、ワイキキには、同種類のホテルコンドミニアム、リッツカールトンの第二タワーが建設中ですし、カカアコでは、ワードビレッジがどんどん建てていますので、いわば競争も激化しているので、キャンセルに至ったという見方ができると思います。
また、その競争は、ワイキキの古いコンドミニアムと新築コンドミニアムという点にもあります。ワイキキの古いコンドミニアムの1ベッドルームクラスは、新しいコンドミニアムに比べますと歴然と価格が低いので、それ相当の需要はありますが、問題は、古いコンドミニアムの広い高額な物件です。数ミリオンの価格帯であるなら、新築や築浅を検討する人は多いと思います。ここだけの話ですが、古い大きな高額物件の所有者自身が新しいコンドミニアムへの買い替えをするために売りに出している場合も聞いています。今後は、さらにこのような動きが顕著になって、古いコンドミニアムの高額物件の人気は落ちていくのではないかと思います。さらに、10年建った築浅の豪華コンドミニアムの代表格、ホクアなども、今後の売買の動きが注目されます。
ですが、全ては、ハワイ不動産市場が判断することです。古いコンドミニアムは、壁が厚くしかりとした造りで、静かなたたずまいがありますし、ロケーションはワイキキのど真ん中で立地がいいなどの利点があれば、価格設定によっては、売れ行きがいいということがあるかもしれません。
今の相場は、そのコンドミニアムの過去の履歴や購入した価格に改築費用や経費を念頭に入れて出された数字で、実際、そのようにして、売り価格を決定するのですが、古いコンドミニアムと新しいコンドミニアムのハワイ不動産の価値の見直しが行われている最中だと思いますし、同じようなタイプのコンドミニアム計画がいくつもあれば、今回のようにそのいくつかはキャンセルされて、淘汰されていくと思います。
しかし、だからと言って、生き残った新築計画のコンドミニアムが素晴らしいという保証はありませんので、購買層が敏感に察知して、ハワイ不動産としての適正な評価を下すべきだと思います。
SANADAインタ-ナショナル不動産売買
プラスセブン不動産
代表取締役社長 : 真田俊彦