ハワイ不動産の家賃は、継続的に上昇するのか
ハワイ不動産の賃貸物件は、コンスタントに賃貸されている物件が、あるときを境にぱったりと 賃貸されなくなるということがあります。これは、内装が古いために、借り手がいなくなったものです。一年前には、この内装で借り手がたくさんいたのに、という思いがあり、不思議でなりませんでしたが、たまたま空き部屋が多い時期、そして、同じコンドミニアム内にたくさんの賃貸の空きがある時期と重なってしまったからでした。
また、近くに新築コンドミニアムが建って、ながめの半分以上が失われたり、工事の騒音でうるさいなどの悪条件が重なったときにも借り手はめっきり減ります。
また、当社のこの一室は、十組の見学者がありながら、たったひと組も賃貸希望がなく、早急な対応を迫られたのです。
このようなとき、賃貸者を獲得するには、家賃を下げるか、または、内装の改善かの判断となります。
しかし、家賃を下げることもできますが、内装の古い物件は、いざ売却というときには、売り出し価格を 高くすることはできません。また、内装が古いままでは、次回も同じことが起こるかもしれません。改装の時期が遅れれば遅れるほど状況は悪くなっていくのです。
もし、ひと組ぐらいは、 借り手がいるだろうと考えたとすれば、これは素人考えだと思います。
適当な借り手が現れるという保証はありませんし、一ヶ月待てば、一ヶ月の家賃収入が失われてしまいます。 また、希望があった最初のひと組をご入居者とするのはリスクがあります。
通常は複数の希望者の中から信用度(クレジット)調査も含め、 最も適当と思われる人を選びます。
10組の見学者があれば、10組全ての見学者が希望する部屋に整えて、理想的な賃貸者を見つける 努力をすべきですし、内装がよければ、ご入居者が内装を気にいって長く住んでもらうこともできるでしょう。
よって、理想的な賃貸と、将来の売却を考慮すれば、内装のアップグレードが 好ましいということは自明の理です。
ただし、古くて暗い印象を打ち消すような新しさとデザイン性が求められますが、予算が限られていましたので、古臭さの残る部分のみを取り除くだけの改装にとどめ、その後すぐに、適当な借り手がみつかり、管理者一同、ほっとしたものです。
ですが、今回は、部屋だけでなく、コンドミニアムの共有部分の臭気が最も大きな原因だったと思います。
重厚な高級コンドミニアムの味わいが一転、古くて暗いたたずまいに感じたのです。賃貸希望の見学者の中には、
「この臭いは?」
と首をかしげる人がいました。
頻繫に訪れる管理の人や住人には、そのにおいに慣れているのかもしれませんが、エレベーターの壁に施された竹の網細工に顔を近づけると、古墳から取り出したようなにおいが鼻を突き、 各階の通路にもにおいが充満し、古さを五感で感じさせるものとなってしまっていたのです。
「古いコンドミニアムのほうが広くていいんだよ。 いい部屋だし、ビルは静かで安全なら十分だ。」
という賃貸者のことばが耳に残っていますが、これを鵜呑みにはできません。
コンドミニアムのビルが古くなれば、家賃を上げることはできません。借り手がよしとする相場の家賃にしなくては、借り手はいなくなってしまいます。
古いコンドミニアムは、大規模修繕やビル管理費などの経費が高くなるということがありますが、だからと言って家賃相場を無視して家賃を上昇させることができません。よって、賃料がコンスタントに上昇するとは、いちがいには言えないのです。
SANADAインタ-ナショナル不動産売買
プラスセブン不動産
代表取締役社長 : 真田俊彦