ハワイ不動産の築年数
当方の著作の「ハワイ不動産」には、
「ワイキキには、築数十年以上のビルがたくさんあり、日本の感覚では古いのですが、ニューヨークやシカゴには、50年、60年経っているビルがあり、アメリカでは、さほど古いという印象ではありません。築年数が、古くても価値が下がらないのが、日本と異なる状況です」
と書いたのですが、昨今では事情が少し違ってきています。
新しいコンドミニアムが、どんどん建って、人々がその新しさに価値を見出しますと、築年数のコンドミニアムの価値が落ちていきます。大きく落ちるということはありませんが、新築コンドミニアムのアフォーダブル(買いやすい価格帯)であっても、古いコンドミニアムよりも高額です。また、築浅物件も新築と同様に美しいコンドミニアムで、新しい内装であれば、新築同様に高額になっています。
アフォーダブル(買いやすい価格帯)は、開発業者からの売り出し価格を抑えるために、スイミングプールや娯楽施設がなく、居住空間だけのコンドミニアムであっても、ワイキキの古いコンドミニアムよりも高額になっています。それほど、新しさには、価値があるということを価格は反映しています。
それは、新しく見せるために、古いビルを大規模修繕で改装しても限界があるからです。たとえば、現在のベランダの手すりは雨のしずくがつかない高品質のガラス素材が主流ですが、コンクリートの分厚い柵が囲んでいます。古臭いだけではなく、見通しも悪く、屋内からは暗く見えます。
このコンクリートの柵を取り除くことは不可能で、将来に渡っての屋内のデザイン性や、ビルの外観にも影響します。
また、古いままの共用部分のコンドミニアムがあり、その古さは、建設当初のもので、物件所有者の集まりであるアソシエーションが改装を拒否しているように見えます。一歩踏み入れたときから、古臭い以上に、人によっては、不快な感じを持ってしまうかもしれません。
ですが、コンドミニアムにはグレードが有り、そのグレードは低くなりますが、ホノルルには、アフォーダブル(買いやすい価格帯)の住宅が増えていませんので、選択肢はあまりありません。新しくなくても静かにある程度の低い経費で住み続けたいという人も大勢いることを忘れてはなりません。
ただ、その願いとはうらはらに修繕費が高くつく傾向にあり、ビル管理費の上層が予想されます。それを抑えるために、既にあるスイミングプールを閉鎖したままにしてあるコンドミニアムもあります。既にスイミングプールは長い年月にわたって空のままですので、損傷が著しいコンクリートの塊となっています。これに対する解決策は見当たりませんが、一棟でも建て替えで成功するなどの例がでてくればいいかもしれません。
SANADAインタ-ナショナル不動産売買
プラスセブン不動産
代表取締役社長 : 真田俊彦