ハワイ不動産の売買履歴
MLSの検索では、不動産エージェントは、以前の所有者をさかのぼって調べたり、いくらのローンが残っているなどの情報を知ることができます。
これらについては、公開されていませんので、購入検討のお客様へお知らせすることはありません。
ですが、見方を変えて、これらが役に立つことがあります。売買履歴という情報が役に立つことがあるからです。
売り物件の見える利点や欠点を見抜くことは、多くの不動産エージェントも心得ていますが、 売買履歴は確認してもらったでしょうか。
売り買い活発なワイキキですと、数年後とに買い替えが行われることも多いでしょう。ですが、一軒家は通常、少なくとも数年から10年住んだり、長くハワイ別荘として楽しむというのが一般的です。頻繫に売買されている場合には、理由を想像してみることをおすすめします。
たとえば、過去の履歴に数ヶ月間の所有期間が多くあり、頻繁に売買されている、 そしてその頻繁の売買の中に、買い手が購入直後に、物件を売り手に返却した履歴があれば、いわくがある物件ではないのかと疑わしくなります。 なぜ、買い手が売り手へ購入したばかりのハワイ不動産を返却したのか、理由を確認しなくてはなりません。売り手が知らない場合もありますが、それでも、たずねてみることは必要です。
以前に、そのような売り物件を見とめて、売り手にたずねたことがありましたが、やはり、理由は不明でした。ただ、その売り物件は、購入直後に売り手に返還されただけでなく、返還された売り手は、その後に売り手も買い手も同じ不動産エージェントを使って、 以前の売却よりも、さらに安く売却したのです。売り手と、買い手の不動産エージェントが異なるなら、極端に安い理由が表面に出るはずなのですが、売り手も買い手も同じ不動産エージェントであれば、その「いわく事由」が、もみ消されて、売買された可能性は否定できません。
理由が不明であっても、不審な売買があって、その情報を収集しようとしても手段は限られています。その物件を売買した以前の不動産エージェントや、近隣にたずねるしか方法はありません。
たまたま当社には、ハワイで生まれて育ったアメリカ人エージェントがいました。子供の頃に借りた家の物件所有者に挨拶に行ったり、小学校からの人間関係を大切にしており、本人も地域の詳細な事情を知っていたので、彼がその家の情報を調べてきました。
近隣の話によると、その家は、夫婦喧嘩がもとで火事になり、家を建て直し、近隣では、「バッドラック(運が悪い)の家」ということでした。家が新しいにもかかわらず、売れ行きが悪かったのが、そのような理由からなのかは不明ですが、MLS記載の頻繫な売買からだけでは、そのような理由があることは、微塵も想像できないものです。
ということで、いくつかの候補の売り物件から、この一軒家をはずしたことは言うまでもありません。新築に近い家であり、知らなければ購入していたかもしれません。知らないで購入しても何の問題もなかったかもしれません。また、売買履歴については、調べなくてはならないという決まった手順はありませんので、不審に思う必要も無かったかもしれません。
ですが、もし、この一軒家を購入したあとで、誰の口からともなく、「バッドラック(運が悪い)の家」ということを聞かされるようなことがあれば、所有者の落胆が想像されます。最初から、このような悪条件を知りつつ、納得する価格で購入できれば、将来落胆することもないと思いますし、無駄なことであっても、情報を得られるのなら、今後も情報を得ようと試みることは必要であると考えています。
SANADAインタ-ナショナル ハワイ不動産売買
プラスセブン不動産
代表取締役社長 : 真田俊彦